ROTARY INTERNATIONAL DISTRICT 2760 国際ロータリー第2760地区
ガバナー月信
  TOP PAGEガバナー月信Vol.5 11月
 
 ガバナー月信 No.5 11月 ロータリー財団月間
ガバナーメッセージ | ロータリー財団月間によせて( 鈴木 孝則 | 平岩 慎次
鈴木 哲 | 川辺 清次 |  藤田 守彦 | 渡辺 均 | 矢形 修己 | 山内 登 )
ガバナー公式訪問報告 | 第2回地区諮問委員会 | 2006〜2007地区スタッフ決定
万博を終えて | 万博を終えて | ポリオ撲滅募金活動キャンペーンの御礼
会員数及び出席報告(H17.9月分) | 文庫通信


■ガバナーメッセージ

 今年の夏の終わり(9月16日)、名古屋港金城埠頭に日本の誇る地球深部探査船「ちきゅう号」が万博協賛のため処女航海で寄港しました。この様に大きな探査船は世界でも初めてで、宇宙開発では米国が世界で断トツですが、海底探査は日本が世界をリードできる舞台が整いました。
 「ちきゅう号」の大きさは、長さ210m、57,100トン、船底から掘削やぐらの頂上までの高さ130mという巨大船で3年半かけて日本の技術で作られましたが、背高のやぐらが邪魔をしてどんな橋の下もくぐれません。
 当日は森(元)首相【本計画承認時の首相】、神田知事、同船を所有する海洋研究開発機構の役員等も出席して歓迎式が行われ、来賓から海洋少年団を中心とする乗船見学の参加者に、海の重要性、自然の大切さ、地球を直接深部まで研究できる喜びが説明された後、船内の研究施設、新鋭機器等がお披露目されました。
 この船は、深海2,500mの海面上で6つのスクリューを使い位置が変わらないようにして、その場所から海底の下7,500mまで掘削、つまり海面から1万m下までドリリングできる能力を持つ特殊な構造になっていて、海底の下にある海洋地盤のサンプルを採ります。そのためには1ケ所で1年半かかるそうです。
 昨年、徳山ダムの建設現場を視察した時、「この辺りの岩石は2億年ほど前はハワイ諸島の附近にあったものです」という話を聞いても全然理解できなかったのですが、今回、「ちきゅう号」で説明を聞き、いただいた本「地球の内部で何が起こっているのか」を読んで納得できました。

ちきゅう号
 海洋地盤は重い玄武岩質岩石で構成され、厚みが5〜8km、大陸地盤は花崗岩質の岩石で厚みが30〜50kmもあるということです。海洋地盤の下のマグマが同じ所で噴出すると(例えばハワイ諸島周辺)、火山島または海底火山となって地殻の一部を形成しプレートに乗って、太平洋の場合は西に向って何千万年、何億年もかかって移動するのだそうです。従って、この地盤の試料を分析できれば、この地球46億年の変動の歴史が少しは分かるのではないか、私も非常に興味を持つ7億年前の地球凍結説がどこまで解明できるのか期待しています。
 日本海溝、駿河トラフ、南海トラフ等の太平洋プレートとユーラシアプレートとがぶつかり合う所は90〜150年おきにM8クラスの巨大地震が発生している事実があります。「ちきゅう号」も日本周辺を手始めに是非このメカニズムを解明し、地震の少しでも早い予知と災害防止に役立つような活躍を願ってやみません。