ガバナー月信 Vol.6  12月 メニュー
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名古屋RC  須田 ェ (東海旅客鉄道株式会社 相談役)
「産業観光都市」 名古屋
 名古屋は「観光都市ではない」という人がいます。名古屋はいわゆる商工業都市、即ちものづくりの盛んな都市です。しかしこのことは「観光都市」となることとは何も矛盾するものではありません。むしろものづくりの都市ならではの観光資源がそこには集積されているのです。

 まず市内には産業技術記念館、ノリタケの森をはじめ、貴重な資料を集めた産業博物館が沢山あります。また、多くの見学者を受け入れる工場見学の対象箇所もあり、伝統産業の町工場が横に連携して「西区ものづくりの道」という観光名所をつくろうという動きもあります。最近「観光」のニーズも変わってきました。従来の景観や史跡を訪れる観光だけでなく学習(学ぶ)観光、体験(何かをする)観光などへの関心が高まってきました。ものづくりの町ならでは、またものづくりそのものを観光資源とする「産業観光」が注目されるようになってきました。このような「産業観光都市」としては、名古屋は最先端をゆく都市といっても過言ではありません。

 ところで名古屋は産業観光だけでなく従来型の歴史景観観光の面でも多くの観光資源があることを再認識する必要があると思います。

 戦災を受けた都市なのに市内のあちこちに江戸・明治時代につくられた古い町並みが残っています。四間道、主税町、白壁町、有松など枚挙にいとまがありません。それらの町並みは高山、京都などのそれにも比肩する素晴しい姿で残されています。復元城ではあるが正確な図面のもとに復元された名古屋城(国宝の障壁画も健在)、伊勢神宮と共にわが国の神社の最高峰に位置づけられる熱田神宮、江戸時代の庶民文化の名残りを残す史跡の数々が市内に点在しています。歴史的考証のうえ、これらを体系化して情報発信することができれば名古屋は伝統歴史都市として大きい位置を占めることがわかります。また景観の面でも戦後の優れた都市計画、デザイン博を機に一新された都市の景観美がそこにあります。名駅、栄周辺では近代的な都市づくりが進み、景観を一変しつつあります。市内の高所からの展望も素晴しく、御岳、恵那山、白山系、伊吹山など周辺の名山が名古屋から一望できます。このような景観が見られるところは大都市では極めて稀な例なのです。こう考えると伝統的な歴史、景観観光でも名古屋はその資源に恵まれており、さらに新しい大都市観光の対象もそこに育ちつつあるのです。

 「観光」は非日常体験ともいわれます。名古屋に現住する市民にとってはこれらの貴重な観光資源はあまりにも日常的で身近であるため、また「名古屋は生産都市」というイメージが強すぎるため観光資源としての認識がやや不充分だったのではないでしょうか。私共他地方出身者にとっては、これほどの観光資源を揃えた都市は珍しいとさえ思います。地元の人々が今一度自分たちの住むまちを見直し、また歩いてみてその価値を再発見すること、それを他地域の人に情報発信することが強く望まれます。

 市民の意識改革で名古屋を日本一の「産業観光都市」にしようではありませんか。

 

(産業技術記念館)

(四間道)
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