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特別寄稿2018-09-13T13:01:25+00:00

2018年9月1日

2018年9月1日

元RI理事
第2760地区パストガバナー 斎藤直美様より

RI理事退任慰労会 挨拶

お時間をいただきありがとうございます。

エレクトまで入れますと2年6ヵ月間エバンストン通いになります。その間感じた事をお話ししたいと思います。何せ80才に近づき脳軟化進行中につきまとまりませんが。

まず一つ目は、「日本と国際ロータリー(よく世界のロータリーと言いますが…)は少しかけ離れている」という、日本のリーダーが、長老が口にすることについてです。何について、何々だから、かけ離れているということなのでしょうか?私が推測するに、「ロータリーとは何か」を語り学習するプログラムも作らずに放置して、ひたすら奉仕活動を奨励し、その為の仲間を無節操に増やすその態度が、本末転倒であるという事だと愚考します。片山パストガバナーがある会でのスピーチの時に、「あの人達は実に率直に抵抗感なく奉仕活動に手や足を使い、体を動かす。日本ではありえない光景である」と印象深い話をされました。「日本ではまず皆で討議し納得してから手足や体を動かす。」と続いたと推測いたします。条件反射的奉仕活動と、熟考検討型奉仕活動との差とでも申すべきでしょうか?この差は生まれ育った地域の歴史と文化・風習とに基づくものであると思います。

今年のガバナー村井さんは、7月17日の中部経済新聞で「やたらと奉仕団体へと傾きロータリーらしさがどんどん失われている。ロータリーの心をもっと学ばなくては。」と的確な指摘をされています。エバンストンでは、職業奉仕について在任中は議題として挙がったことはありませんでした。一度グループ分けされた理事4~5人の小委員会で、「職業奉仕という言葉は若い人に受け入れないので、文言を変えましょう。」と司会者であるアメリカの理事が言いました。議案として取り上げずに、さも当然とばかり自然にその語句を取り消しましたのでビックリした僕は、「一寸待って下さい!日本では言葉には心がある…2000年続く日本の仏教の教えだ。言葉が消えることは心を失うことだ。」と反対スピーチをしました。結局そのアメリカの理事は、語句を残してくれました。それを聞いたのでしょう。事務方のリーダーは、「職業奉仕という言葉を残したいなら、COL(規定審議会)の場でドイツと手を組んで上程しなさい。」とアドバイスがあり皮肉られました。それが実情です。しかし待ってください!ラビンドラン、ジョンジャーム、イアンライズリーのスピーチには「四つのテスト」「職業分類」などに触れ、ロータリーの特長と、ロータリーの心に言及しています。2016年のCOLには、ロータリーは変わっていく、と嘆きともとれる言葉を、そのお三方から耳にしましたから。RIの中枢のリーダーは、ちゃんとロータリーの心を把んでいます。私は、ちゃんと把んだ上ですぐに条件反射的に、奉仕のための手足と体を動かしているのだ、と嬉しく感じ、このお三方には敬意を払っています。ひるがえって、日本はどうでしょうか。仏の人類学者・歴史学者のエマニエル・トッドさんが、朝日新聞に最近投稿(7/17)して日本の人口動態問題に触れて以下のように述べられています。「1990年代に訪日した時、少子化などの人口動態問題を語る人は多く、ヨーロッパよりも意識が高いと思った。以後16~17回訪日したが、人口動態危機について“日本人には何も行動しないまま議論し続ける能力がある”と今は考えている。」と皮肉たっぷり。「国力を増やしたければ人口動態に取り組むはずです。それをしない姿勢は、ナショナリズムとは云えません。」と結びました。日本のロータリーと職業奉仕にそっくりですから紹介させていただきました。日本は議論し納得すればどんどん力を発揮します。それがデータとなって現れ、RIで集積されています。実にすばらしい日本ロータリーのデータであります。

二つ目は、諸外国はロータリーの勉強をしているのか?という疑問です。地域セミナー、コーディネーターそして研修会の奨励など型を作ってはいますが、効力はないようです。日本は国土が狭いこと、同一民族、同一言語文化の為すぐ浸透しますので、日本のロータリアンのレベルは高くなっていきます。 2016年春のCOLで、クラブ運営の柔軟性と多様性が大幅に認可され、私は慌てふためき2016年のロータリー研究会のテーマの一つにしました。その後2年経つのに、日本のロータリーは中心的名門クラブの運営は変わりません。COLの影響はほとんどありません。理事1年の時に、青少年奉仕部門の危機管理について、あるロータリークラブのレイプ問題が取り上げられました。地区のクラブの危機管理システムがいかに大事か、解決済みだが討論されようとしました。カーッとなった僕は、「12年も前の2005年に討議に入っている。RIにはノウハウがあるはず。」と強い口調で言いました。青少年問題の事務方のトップに、「何故またこれが取り上げられるのか。」と聞きました。「きちんとしているのは日本だけです。」との返事でした。このように日本のロータリーは、RIの方針に逆行することなく実に素直に方針を順守しているのです。RIと少し乖離しているように見えるのは、事あるごとに職業奉仕を説きつつ社会奉仕プログラムを遂行する日本と、ダイレクトに社会奉仕に手足を動かす欧米、特に英語圏のリーダーとの差を見て乖離している、というのではないかと感じました。

三つ目は、日本のロータリーの優秀性についてです。理事としての1年間が終わろうとする4月ないし6月に、理事の責任管轄のゾーンの実態がデータで示されます。会員増強とロータリー財団への寄付(寄与率)の実績であります。日本は女性会員の比率と40才未満の青年会員の比率が低いのであります。これは日本の歴史と風習とに起因していると考え(いわゆる市民革命が行われず)、よって3代経過しないと日本は変わらないと開き直っていました。それ以外のデータはすべて優等生でありますが、僕らが努力するわりには会員の増加がありません。3ゾーン復活に向かって、失われた0.5ゾーンを取り戻す努力、18,000人増員を目指す(1年3,000人×6年間、または1年1,800人×10年間続ける)のが努力目標です。

四つ目は、日本のロータリー100周年記念事業計画と世界大会を日本へ誘致するテーマが「RI理事会へ発信する作業」検討事業として残りました。

以上、とりとめのない感想となってしまい、貴重なお時間を潰してしまいましたが御許し下さい。そして、理事をまっとうするようにと励まし続けて下さいましたパストガバナーの皆様に熱くお礼申し上げます。ありがとうございました。

(2018年8月2日諮問委員会委員によるRI理事退任慰労会での講演原稿より)

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