ガバナー挨拶

RI会長田中夫妻、2760地区ガバナー千田夫妻

そこでいまひとつ推奨したいことが御座います。 最近のロータリーは国際、全国のほうに少し顔を多く向けているような気がいたしております。 それも大切なことだと認識しておりますが、今一度足元を見つめ直すことも大切かと思います。そうです、地区の活性化です。 自分のクラブの枠を超えて他のクラブに出向く、そうです、メークアップです。 これが私の言う、じかに触れ合うという意味で"Touch the Rotary"です。 地区同士の交流を今以上に活発化したいと思い、せっかく音頭をとらさせていただけたこの機会に、是非ともこの交流を皆様のご賛同を得て、すすめて参りたいと思うのです。

用件だけならメールでことたりることも多いと思います。 しかし、やはり直に会って、握手して、その上で目と目を見て話し合い、笑い合い、時には議論する事も必要だと考えます。 こうした考えは、私自身の経験によるところが大きいかと、今になって思います。

私の父は医師でした。私が申し上げるのもなんですが、私と違い非常に温厚で、医師としての使命感、社会人としての使命感に厚い人でした。 父は、済生会愛知県病院の創設以来、院長として勤務して、青い鳥学園も創設し、その初代園長もしておりました。ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、青い鳥学園は、心身障がいを持った方を療育する機関です。

私にとって、鮮烈に印象に残っているのは、そうした障がいを持つ子供たちの目線になるように、背中を曲げ腰を下ろし、自分の孫と同じように、頭をなでて、話を聞く、そうした父の後姿でした。 そうすると、ほかの子供と同じように、心を開き、何かを伝えようと一生懸命になっていく子供たちの姿が、瞼に焼きつきました。 障がいのあるなしに関係なく、おなじ人間として、その人の体温を感じながら、直接に触れ合うことが、いかに人の心を動かすのか、私はその時初めて知ったような気がします。 人と人との触れ合いは、数字化されない、文字化もされない、不思議な力を持つものだという事を、父から学んだような気がします。だからこそ、touchじかに触れることが大事だと申し上げているのです。
勿論、父はロータリアンでした。名古屋西ロータリークラブの会員でした。

touchというのは、attachment,つまり愛着と同じルーツなのです。どうか皆さん、ご自身一人ひとりのロータリーの精神に、改めてtouchしてください。ロータリアンの一人ひとりが、ロータリーの理念に愛着があるかどうか、それがロータリーの存在意義にかかわることだと考えます。

Touch the Rotary ~ふれあい、思いやり、そして握手~

ロータリーの理念が、奉仕と友愛に集約されることは、皆様もご存知と思います。しかし、間違えてはならないのは、その理念を実行する主体は、ロータリーという団体ではなく、ロータリアンである皆様一人ひとりであるということです。どうか自分、私が主体であることを今一度認識し、確認していただきたいと思うのです。

ロータリーがシカゴで生まれて一世紀以上経ております。"初心忘れるべからず"とは申しますが100年以上の時を経て、その精神を受け継いでゆくのは並大抵のことではありません。 ポールハリスは(世の中は変化する、われわれは変化する世界とともに変化する用意がなければならない)と言っております。

ロータリーは変革し前進しなければなりません。 ロータリーに夢を、夢を行動にと、今日は昨日より、明日は今日よりその夢を"ふれあいと思いやり"の心で実現したいと思います。 しかし、夢は思い描くだけでは出来ません。一人ひとりが一つずつ活動する、それが奉仕の原点です。