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ガバナー月信 No.9 3月 |
世界ローターアクト月間 |
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■ガバナー月信 3月号 ガバナーリポート
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先日、東京の第2580地区の地区大会に出席しました。昨年10月の当地区大会に古宮ガバナーご夫妻が来ていただいた返礼もかねて、ニューオータニでの2日間の大会に出たものです。日本のロータリー発祥の東京クラブを抱えた地区ということもあって、日本34地区ガバナーのうち実に23名が、全体では2,500名が出席された大変盛大なもので、いろいろと参考になりました。周辺地区のパストガバナーや古いロータリアンの方々も多くお見掛けしました。
今年の6月はコペンハーゲンとマルメで世界大会が行われますが、バルト海沿岸は12〜17世紀にハンザ同盟を結成した舞台でした。東はロシアのノヴゴロド、北はスエーデンのストックホルム、ノルウェーのベルゲン、西はロンドン、南はフランクフルト、ポーランドのクラカウに囲まれた、リューベックとハンブルクを中心とする自由都市の連合体でした。ハンザという言葉自体がルフトハンザ(ドイツの航空会社)で知られる様に部隊とか団体という意味ですが、この場合は商人間の組合団体ということです。ギルドの一種であり、海外貿易商人のギルドでもあったわけです。最初のリューベック/ハンブルク同盟は1230年頃、北方貿易(毛皮、材木、穀物、海産物、塩等の生活必需物質が多い)を中心に、お互いが自由に貿易出来る様な取り決めを行い、イギリス、オランダ、ロシア、ドイツ南部等の広い範囲に現在のFTAの様に広がり、その自由な貿易を阻害するものは、例え相手が国であってもハンザ同盟として経済封鎖(フランドルに対し)したり戦闘行為をもって対抗しました。デンマークとも2度に亘って交戦し、1362年はハンザ同盟が敗北しましたが、1368年にはコペンハーゲンを攻撃し荒らし回ったので、デンマークはハンザ同盟に和を請い平和条約を結びました。今では、都市連合または商人組合が国家権力と戦争をすることは考えられません(テロは別として)が、当時としては、北方貿易に従事する商人達は、生活必需品を安定して一般市民に供給しなければという義務感もあったであろうし、何よりも、それが妨害された場合には戦いも辞さないという気概を持っていたのでしょう。
最近、一部経済人の不祥事が時折話題となりますが、世のため人のためと言う正しい気持があれば、自分だけ良い思いをするという考えは少しでも無くなるのではないでしょうか。地区大会での講話で挙げられた例として、タバコの吸殻が会社内に落ちていた時、それを見たロータリアンは何を考えるでしょうか。とりあえず拾うでしょう。しかし、吸殻を捨てない様な社員を育てなければならないと思って、職業倫理、徳性を磨くように社内教育を進めて行くのがロータリアンの本願ということです。良い波紋を広げれば、自分の周囲の人から少しずつ社会は変わって行くことでしょう。
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