ガバナー月信 Vol.5  11月 メニュー
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今月のカレンダー文庫通信ハイライトよねやま 56号出席報告 (9月分 EXCEL形式)

尾張中央RC  大野 厚 (ホワイトウィング大野 代表者)
 この夏は殊のほか暑く、仕事のストレスと重なって、心身共に疲れている方が多いのではないでしょうか。そんな中、幼なじみや同窓生との食事会があったら… と想像してみてください。良い事も悪い事も、当時の様々な思い出話をするうちに、皆すっかり当時まで若返ってしまって、笑いが溢れることでしょう。懐かしさと楽しさで心が癒され、気持ちが少し元気になり、明日への活力に繋がると思いませんか。これこそが「回想法」です。回想法とは、かつて自分が体験したことを懐かしく思い出し、語り合ったり思い巡らすことで、脳を活性化させ心を元気にする心理療法なのです。
 師勝町では、この「回想法」を介護予防・痴呆予防に取り入れ、平成14年度から「思い出ふれあい(回想法)事業」と称して実施しています。高齢化の進行による様々な課題のなかでも、痴呆の間題は非常に深刻です。そんな痴呆の予防対策の一つとして、厚生労働省始め全国の自治体や介護保険施設から注目されているのが、この事業です。
 回想法事業の拠点施設として「師勝町回想法センター」も設置されています。欧米を中心に発展してきた回想法は、イギリスでは一般的なものとして浸透しており、回想法センター(レミニッセンスセンター)もたくさんありますが、日本では師勝町が第1号です。回想法に関しての情報発信や研修の場として、また子どもから高齢者まで利用でき、世代間交流のサロンやコミュニティセンターとしての役割も担っています。昔風の学校の教室をイメージした部屋と、懐かしい生活用具や農具などが置かれている教材室があり、教材は自由に利用できます。同じ敷地内にある「国登録有形文化財旧加藤家住宅」とともに、来館者の懐旧の場、心が癒される場となっています。
 事業の中心となっているのは、高齢者を対象とした「回想法スクール」です、毎週1回、1時間のセッションを8回コースで行い、「子どもの頃の遊びの思い出」「小学校の思い出」など、テーマに沿ってグループで回想を楽しむ教室です。この教室に参加する方は、生まれも育ちも異なる方達ですが、すぐに仲間になり、まるで幼なじみのように話に花が咲きます。事業評価の結果、介護予防効果も立証できました。スクールの修了者は、「いきいき隊」というOB会を結成して、それぞれ自主活動を続けており、活動を通じて杜会参加や杜会貢献の機会を得、文字通りいきいきと活動しています。
 この事業に関連する施設として「師勝町歴史民俗資料館」があり、別名「昭和日常博物館」と呼ばれています。昭和時代の生活史の保存に努めており、10年以上前から昭和時代をテーマに、一貫したコンセプトで企画展などを実施し、日本全国からの来館者が昭和を懐かしみ、楽しんでいます。収蔵品は10万点以上に上り、その収蔵品が回想法スクールや回想法センターの教材室で活用されています。また、収蔵品を箱に詰めた「回想法キット」を、回想法を実践する施設などに貸出し、大変好評を得ています。
 過去を振り返ることは、マイナスのイメージで捉えられることが多いのですが、回想法においては、「過去」は心を元気にし、ポジティブにする方法としてとても郊果的のようです。機会がありましたら、回想法センターや歴史民俗資料館に来館していただき、回想を楽しんでみてはいかがでしょうか。「未来」への活力が沸いてくるかもしれません。
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