RI会長

 おはようございます。
 ロータリーの2013年国際協議会へようこそお越しくださいました。

 本日、こうしてここに立つと、26年前にテネシー州ナッシュビルで、ガバナー・エレクトとして国際協議会に出席したときのことを思い出します。その時の経験は本当に素晴らしいものでしたが、この協議会も皆さんにとって素晴らしいものとなることを願っております。実は、1987年の協議会と、2013年の協議会には、ロン・バートンが出席している、ということ以外に、もう一つの共通点があります。

 26年前、私は同期のガバナー・エレクトと一緒に、次年度の就任準備に加え、ロータリーの歴史上、最も壮大かつチャレンジに満ちたプログラムに乗り出す準備をしていました。それは、ポリオ・プラスです。「地球上からポリオを撲滅する」というプログラムは、ロータリー史上初めての募金キャンペーンであり、ロータリーが公言した約束としては、かつてないほど大きなものでしたが、私たちにはこれに取り組む心構えが整っていました。

 当時でさえ、これはすぐに実現できるような簡単なことではないと分かっていました。しかし、2013年になってもまだ活動が続いていると知っていれば、そのときガバナーになりたくないと言う人が出ていたかもしれません。しかし当時、そして今も、撲滅は可能であることを、私たちは知っていました。世界中の子どもたちとそれに続く世代、そして、私たちの成功によって勇気づけられ、意欲を燃やす次世代のロータリアンにとって、この成功が何を意味するかは、当時も分かっていました。

 26年前、同期ガバナーたちとともに、この協議会で、ポリオ撲滅という仕事が始まったのです。そして今日、この仕事を終らせるガバナーとなる皆さまの前に、私は立っています。

 ナッシュビルでのあの1週間に、ポリオについて多くのことを学び、さらに、それ以来も多くのことを学んでまいりました。しかし、私が、そして私たち全員が学んだ一番大切なことは、30年間ポリオが発生していない国であれ、月に数千人の感染者が出ている国であれ、どこに住んでいようと、何かができるということです。車椅子や松葉杖で生活している子どもや、地面を這っている子どもたちを救うことができる。ロータリーを通じて、彼らの人生を変えることができる。そのことに、私たちは気づきました。人々の人生を変える、という言葉はそれまでにも聞いたことがありましたが、あの一週間に、それが一気に現実味を帯びたものとなり、大きな意味を持つようになりました。

 あの時、私たち全員にとって、ロータリーに対する見方が大きく変わったと思います。

 私やガバナーとなる皆さん、また、クラブ会長など、あらゆるレベルのロータリーのリーダーにとっての課題は、すべてのロータリアンが、あのようなひらめきの体験、つまり、ロータリーとは何か、ロータリーはどんな可能性を開いてくれるのか、ロータリアンであることがどれほど栄誉であるかを、実感する経験が持てるようにすることです。