ガバナー活動報告

Rotary Moment vol.13

2020.12.22

ガバナーを経験して

一年を振り返って

 マローニーRI 会長テーマ「ロータリーは世界をつなぐ」、今年度から始まった5年間のRI 戦略計画「適応力を高める」は新型コロナウィルス感染拡大に対応したものであるかのように感じるのは私だけでしょうか?
 新型コロナウィルス感染拡大で入国制限や禁止で世界の分断が顕著になっていますが、実は2 016 年から世界は分断が始まっていました。英国が欧州連合から離脱を決めたブレグジットとアメリカ・ファーストを掲げるトランプ氏が大統領選を制した年です。各国が内向きになり、ロータリーは世界をつなぐ価値が高まっていました。そこへ新型コロナウィルスが拍車をかけたのです。国内では2 月からの新型コロナウィルス感染拡大で3 月からのロータリー活動に制約を課され4 月からは政府からの緊急事態宣言という重々しい言葉とともに何事にも物理的距離を置くことが求められ、ロータリーはまさに活動停止状態に陥り、一部のIMも含め行事が中止となり例会で顔を合わすこともできずロータリーが分断されました。「グローバルに考え地域社会とつながりロータリーを成長させよう」という私の地区方針は“つながって成長させる”ことです。それはできなくなったように思えました。しかし、できないのではなくどうしたらできるかを考える前向きな姿勢で共通の目的を追求しながら末永い深い絆をつくりだしてきたのがロータリーです。日本は明治維新と第二次世界大戦の二度のパラダイムシフトがありました。歴史上、先人たちは耐え難い社会転換や経済崩壊など衝撃的な出来事に直面しても、既存の制度を再構築し社会を変えてきました。危機の性質は違ってもその時に人間が下す判断の適切性が大切です。この危機も乗り越えていかなければなりません。新型コロナウィルス禍はロータリーに課題を突きつけたのです。ロータリーは革新的柔軟性をもって適応力を高める必要がますます高くなりました。私たちは独自に判断し、分断に対しては結束で対応するしかありません。私も新型コロナウィルス禍で手をこまねいているわけにもいかず、全国の同期ガバナーと結束して医療従事者を守るためにフェイスシールド・プロジェクトを展開しました。ロータリークラブの存在意義と究極の目的は、助けを必要とする地域社会に寄り添い支援することです。
 結束という言葉はすばらしい言葉です。一人でできることは極めて限られています。だからロータリーで結束し行動するのです。ロータリービジョン声明が“Together”から始まっていることはそれを意味していると私は考えます。私も一人では何も出来ませんでした。各クラブ会長幹事、ガバナー補佐、地区委員長・委員、地区のスタッフ、そして諮問委員会のパストガバナーの皆様のご指導とすべてのロータリアンの皆様とのご縁とご高誼で役割を果たせたものと心より感謝申し上げます。また各クラブ会長幹事の皆様には地区方針を理解していただき、「知的多様性」と「革新的柔軟性」をクラブに伝えていただき今後のクラブ運営に活かしていただけたと思います。地区大会は記憶に残る意義深い大会になりました。新型コロナウィルス禍でガバナーとしての宿志を遂げる道半ばかもしれませんが、私としては完全燃焼させていただきました。
 そして、2020-21 年度岡部 ガバナーがすばらしいロータリー活動を続けられますことを祈念いたします。

国際ロータリー第2760 地区
2019-20 年度ガバナー
江南ロータリークラブ所属  伊藤 靖祐