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更新 2007/07/01
   
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RI会長
 
ウィルフリッドJ.ウィルキンソン
2007‐08年度国際ロータリー会長
 
国際協議会でのRI会長の挨拶
 

ロータリーとはまったくもって驚くべき存在です。私はずいぶんと長い間ロータリアンをやっていますが、44年目にもなりますと、ロータリアンであることが当たり前に思えてくることがあります。そこで時折歩みを止めて、ロータリーがいかに素晴らしいかということを思い起こすようにしています。このような習慣は、ロータリーに長く在籍している人にとっては意味のあるものではないでしょうか。
 ロータリーとは何か。皆さん全員が、この質問に出くわしているはずです。私の答えは、最古の国際奉仕クラブで、その120万人の会員が世界中でそれぞれの地域社会を改善するために努力している、というものです。3万2千余りのクラブは、何とか人々の役に立ちたいと願い、毎週例会を開いています。そして、日々、何万件もの有益で創造的なありとあらゆるプロジェクトが実施されています。私たち全員が、世界を変えるためにベストを尽くして活動しています。
 なかなか聞こえのよい答えではないでしょうか。しかし、何かが欠けているような気がします。これではまだ、ロータリーの正体が明らかではありません。ここにいる全員にとって、また私個人にとってのロータリーとは何か。
 私にとって、ロータリーとは魔力に匹敵するものです。カナダ出身の一公認会計士にやり遂げられるなどとはまったく想像もできないような数々の事をやらせてしまう、それがロータリーです。武装した守衛たちとともにカイバル峠を越え、アフガニスタン難民の子供たちにポリオワクチンを投与することができたのも、ロータリーあればこそです。44年前には名前すら知らなかった国々に、ジョーンと私が良き友を得ることができたのも、ロータリーのおかげです。また、今、皆さんの前でこうしてお話しできるのも、すべてロータリーが可能にしてくれたことです。
 ロータリーの魔力とは、普通の人々でも素晴らしい仕事がやり遂げられることなのです。ロータリーのおかげで、家族と仕事と地域社会を主軸として暮らしている皆さんや私のような人々が、日常生活の枠を超えて、それ以上の何かを求める機会に恵まれます。ロータリーのおかげで、見知らぬ人々に対して心を開き、何千マイルも離れた地域に自分の地元と変わらぬ愛を注ぐような人間になれるのです。なぜなら、ロータリーとはだれかれの区別なしにすべての人類に向けられる人類愛にほかならないからです。ロータリーは、その人類愛を表現し、分かちあう術を授けてくれるのです。
 私たちは、クラブ奉仕を通じて分かちあいますが、クラブはいわばロータリーの手となる存在です。ロータリー・クラブがなければ、ロータリーは存在しません。ですから私たちは、会員を表彰し、苦境にある会員に手を貸し、物故会員の配偶者と連絡を保つことにより、クラブの充実化に努めるのです。また、クラブが常に開放的で親しみに溢れ、資格を有する人であればどんな人でも会員として迎え入れることのできる環境づくりに徹しています。
 私たちが職業奉仕を通じて愛を分かちあうのは、自らの職業を通して私たちはロータリーの声となれるからです。私たちはまた、研修、専門的な知識や能力、特技をも分かちあいます。そして、取引や仕事上の決定を行う際には必ずロータリーの倫理観に照らすよう自らを律します。
 私たちが社会奉仕を通じて愛を分かちあうのは、社会奉仕がロータリーの心臓部だからです。私たちが地元のニーズに取り組むのは、私たちの第一の責務が地元地域にあるからです。「ロータリーはよいことをしてくれる」と言ってもらえるよう、地域社会でその存在観を高める努力を惜しみません。そして、これらの人々の中から会員になりたいという人が出てくることもあるでしょう。
 私たちが国際奉仕を通じて愛を分かちあうのは、それぞれの国において一人ひとりがロータリーの目の役割を果たしているからです。地元地域のニーズとその援助の方法を見定めるために地元社会について知るのが、私たちの仕事です。その上で、地元だけでは賄いきれないとなれば、世界中のロータリアンから援助を求めることができます。
 私たちが青少年活動を通じて愛を分かちあうのは、青少年はロータリーだけでなくすべての人々にとっての未来であるからです。青少年プログラムの強化に努めることにより、今日ここにいる私たちがやがて席を譲る日がやって来たときに、強い責任感と倫理観を持つボランティア志向の新世代が、この会場の席を埋め尽くしてくれるはずです。これらの若い人々は、私たちのはるか先に広がるロータリーの未来への懸け橋なのです。
 そして私たちは会員増強を通じて愛を分かちあいます。どんなに多くの業績を数え挙げてみたところで、新しい会員を増やし、既存会員を維持し続けることができなければ、ロータリーは生き残れません。
 ボイド会長が折に触れおっしゃっている通り、「率先しよう」と言うからには、自らが模範を示さなくてはなりません。その意味で、私は皆さんがこの協議会に出向かれる前に、新会員1名を迎え入れるようお願いいたしました。また、クラブ会長にも就任年度内に新会員1名を入会させるよう皆さんからお願いしていただきたいと申し上げました。私たちは、迎え入れた新会員を責任を持って支え、やがては自らが新会員を入会させることができるまでに、ロータリーの中で成長していけるよう見守っていく必要があります。
 ロータリーへの勧誘が必ずしもたやすく運ばないことは承知しています。断られることのほうが多く、断られれば誰しも落胆するものです。しかし、断られることを当たり前とし、再度誘う好機をうかがい、また、勧誘に応えてもらえそうな次の候補者へと焦点を移す時期を知ることが大切です。
 二度目、三度目、いや、四度目の勧誘でやっと「イエス」と言ってくれる場合もあります。ロータリーは、この「イエス」を皆さんに求めています。これは、ロータリーの第二世紀を確実なものにするために最も重要な活動です。新会員なくして、ほかを語るわけにはまいりません。なぜなら、私たちの活動がどんなに立派で尊いものであったとしても、新しい会員がいなければ、ロータリーは数十年のうちに消滅してしまうからです。もっと小規模な奉仕クラブの中には、既にそのような残念な結果を招いたところも多くあります。
 地区ガバナー・エレクトである皆さんは、これから、大小、強弱、新旧を問わず地区内の全クラブに対する責任を負うことになります。これらのクラブを一つ残らずより良い方向へと導くのが、皆さんの仕事です。地区内クラブについて良く知り、熱意を呼び覚まし、勇気づけることです。簡単にはいかない場合もあるかもしれませんが、意義あることを成し遂げるのに安易な道を選ぶな、という格言があるように、重荷に耐えうる強さを自らに期待したいものです。
 皆さんはその強さを備えていらっしゃいます。今日、ここにおられることが何よりの証拠です。皆さんは、ロータリーとその活動を愛し、大切にされている方々です。来たる年度に成長と実りをもたらし、102年間の奉仕と善意あふれる仕事を築く一年間にする力と知識と決意が、皆さんにはあります。
 来年度、私はボイドRI会長の強調事項である水保全、保健および飢餓救済、識字率向上を引き継ぐ所存です。数年間にわたりロータリーの取り組みの最前線に置かれてきたこれらの基本的なニーズを続けていきたいと私が思うのは、きれいな水と健康と読み書きの能力が授かれば、多くの人々に自助自立の道が開かれるからです。
 ロータリー家族というもう一つの強調事項も引き継いでいくつもりです。それは、互いを思いやり助け合うことで、ロータリーが末永く存続し、意義ある活動を続けることができるからです。
 これらのニーズに取り組むときには、どうか、ロータリーの真髄が愛であり、その発露が親切心であることを思い起こしてください。家族や仲間同士、地域社会、そして特に援助を受ける側の人々と接する際には、どうか親切心を示してください。おなかを空かせた人に食事を持って行けば、おなかを満たすことができますが、さらに食卓をともにするなら、その人の心をも満たすことができます。
 私たちはみな、ポリオ・プラスや3-H補助金や、多くの人々を支える大規模なプロジェクトなど、ロータリーの業績を誇りに思っています。しかし、友人のために用事を引き受けたり、隣人に手を貸したりといったような、日常の些細な行動も等しく大切です。そのようなささやかな行為を、ワーズワースは詩の中で次のように詠っています。「善き人の人生の中で最良たるもの、それはだれも覚えていないような、名もなきささやかな親切と愛の行為」
 私たちを感動させるロータリーの親切心と愛とは、理屈とはかけ離れたものです。それは、公式や貸借対照表などでは表すことのできないものです。愛と親切心こそがロータリーを可能にしているのです。ロータリーは、私たちの手と心とが成し遂げる仕事を通じて示される愛ゆえに素晴らしいと言えるのです。ロータリアンとして、私たちはただ口先で人類愛を語るだけではありません。
ロータリアンである私たちは、その愛を実践し、分かちあい、互いに助け合うのです。
 こういった理由から、2007-08年度のテーマを「ロータリーは分かちあいの心」としました。
 思いやる気持ちがロータリーに分かちあいの心をもたらし、ニーズを知ればこそ、ロータリーは分かちあい、「超我の奉仕」を実践すればこそ、ロータリーに分かちあいの心が生まれるのです。
 このテーマを選ぶにあたって、ロータリーがどれだけ分かちあっているかを振り返ってみました。私たちは、私たちの時間と才能とお金をニーズを抱えた人々と分かちあっています。また、親切心や愛を分かちあっています。
 ロータリーにおける分かちあいとは、自分自身に不要となったものを施すことではありません。分かちあいとは、人のために我を忘れて自らを捧げることです。来たる年度、皆さん一人ひとりにロータリーと分かちあえるものは何かを考えていただきたいと思います。リーダーシップ、技能、あるいは、クラブと地区の改善に注ぐ熱意でしょうか。
 また、新会員を入会させることによって、ほかの人々とロータリーを分かちあってくださるようお願いすることになります。ロータリーは発展しなければ、分かちあいの心を持ち続けることはできません。聞き上手であること、思いやりある言葉遣い、援助の手、広い心、これらがいかに大切かをどうか肝に銘じてください。皆さんへもう一つお願いがあります。どうかステファン・グレレの次の言葉を胸に刻んでください。

この人生はたった一度限りの旅だと思うから、 私にできるよいこと、私が友にしてあげられる 親切なら、どんなことでも、今させ  てください。再び引き返してくることがないのなら、先延ばししたり、なおざりにしたくはないのです。

  朋友の皆さん、就任年度に訪れる機会は一度限りのものです。この一年間は、地区ガバナーとして、クラブを支え、導き、皆さんの長所と愛を分かちあうチャンスです。
 さまざまなことを求められる年になるでしょう。この年度は、皆さんの年度であり、真の意味で皆さんが成功できる機会です。楽にはいかないこともあるでしょう。険しい道もあるでしょう。だからこそ、今日ここで、私は皆さん一人ひとりに誓いを立てていただきたいのです。就任年度、ロータリーに「イエス」と答えるという誓いを。イエス、私は新しい会員を勧誘し、ロータリーを分かちあいます。イエス、私はすべての行いに「超我の奉仕」を反映させるよう努めます。イエス、私はロータリーへの愛を地区とそのすべてのクラブに対して示します。
 2007-08年度の地区ガバナーを「イエス」と答える肯定的なチームとして覚えていただきたいのです。では、早速、起立していただくことから始めましょう。皆さん、ご起立ください。
 私は既に、研修リーダーの方々に皆さんとロータリーを分かちあってくれるようお願いし、「イエス」という答えをいただいております。腕を上下に3度振り上げながら、「イエス、イエス、イエス」と答えてくださいました。では皆さんも研修リーダーに負けない熱意で、それ以上に威勢のいい声で答えてください。
 ロータリーを愛していますか。(次期ガバナーが「イエス、イエス、イエス」と答える)ただ今の声より、ロータリーへの愛はもっと大きいはずです。ロータリーを愛していますか。(「イエス、イエス、イエス」)ロータリーに奉仕しますか。(「イエス、イエス、イエス」)
ロータリーを分かちあいますか。(「イエス、イエス、イエス」)
 ありがとうございます! どうぞ、ご着席ください。
 今年度、ロータリーを余すところなく自由に分かちあってくださるようお願いいたします。愛を持って、仕事に励んでいただきたいのです。そして、人々のために奉仕する行為のすべてがロータリーの魔力の一部であることを、どうか忘れないでください。その魔力とは、皆さんや私のような普通の人々にまったく想像もつかなかったような素晴らしいことを成し遂げさせる力です。
ご清聴、ありがとうございました。

ウィルフリッドJ.ウィルキンソン  2007‐08年度国際ロータリー会長
     
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