研究グループ交換(GSE)について
地区研究グループ交換(GSE)委員会 委員長 矢形 修己

1.概要
   1965年に発足したロータリー財団の「国際交流プログラム」であります。
  GSEの発足年度は、34チームが参加しましたが、2001〜2002年度には54
  4チーム、2002〜2003年度には397チームが参加するまでに発展しました。
  このプログラムは年を追うごとに参加者が増え人気の高いひとつです。
  具体的には@国を異にする2つの地区がペアを組んでおこないますAメンバー構成は
  ロータリアン以外で事業または専門職に携わる年齢25〜40歳の選ばれた4名と
  リーダーのロータリアン1名を加えて編成、相手地区に派遣します。B派遣もしくは
  受け入れ期間は4〜6週間です。
  発足以来100カ国以上から37,000人(約7,600チーム)が参加しています。

2.目的
   異なった文化と職業の交流の場を提供する機会です。チームは派遣期間中、他国で
  同じ職業分野の参加活動、勉強、ホスト地区で歴史や文化を学ぶことにより異文化
  経験に浸りホストファミリーや地域社会の人々と親睦を深めます。また、クラブ例会
  やロータリー活動で日本の歴史と文化を通じ国際理解、親善、友好関係を高める手段
  のひとつとなります。

3.事業の経過
   このプログラムは従来 同一年度内に2地区間で派遣、受け入れを行って参りまし
   たが、2002年度より隔年の派遣、受け入れに変更されました。
   岡部ガバナー年度(2003年3月〜4月)当地区より9520地区に派遣してお
  り
ます。昨年度(豊島ガバナー年度)は、2003年11月に9520地区より2760
  地区が受け入れました。日程も当該地区の地区大会開催日を含むことが多いです。
  しかし、今年度は全GSEチームに「100周年記念GSEチーム」という特別名称が付、
  また愛知万博開催が重なり、DDFを使用して、単年度に派遣と受け入れを実施するこ
  とになりました。

 a)提携先RI 5370地区の概要
  ・カナダの4州(アルバータ州・ノースイーストブリティッシュコロンビア州・
    ウエストサスカチュアン州・ノースウエスト準州イエローナイフ)でカバー
  ・54クラブ 2,500名の会員数 エドモントンを中心とする

 b) 地区の産業(主にアルバータ州)
  ・農業は世界有数の生産性を誇り、カナダ全体の年間生産高 約25%を占める
  ・エネルギー州でもあり、カナダ全体の通常石油埋蔵量 65%以上
  ・天然ガス80%強、ビチューメンとオイルサンド100%存在
  ・食品、飲料の加工は州最大の製造業である。
  ・石油化学とプラスチック、林産品等がここ数年に行われた州経済多角化の
   成功を物語っている。
  ・工業製品の多様化も進んでいる。
  ・サービス部門はGDPの60%を占める。壮大なロッキー山脈、ジャスパー、
   バンフ両国立公園が有名である

4.派遣
  2005年5月14日〜6月11日迄 R I 5370地区での予定
  募集   2004年7月13日〜2004年9月17日(締め切り)
  選考試験 2004年10月16日予定(場所 時間  未定)
  チームリーダー   1名(ロータリアン)
  チームメンバー   4名(ロータリアン子弟以外、25歳〜40歳)

5.受入予定及び受入計画案
    ・受入期間は2005年4月2日〜4月30日(万博開催中)予定
    ・2004年 7月 ガバナー補佐会議にて受入計画案立案の説明実施。
    ・11月 各分区受入説明会を実施。
    ・12月 各分区受入計画書の作成をお願い。
    ・   受入計画まとめ及び分区案集約の調整に。
    ・2005年 3月 受入準備と点検、派遣メンバーとの交流、役割調整。
    ・    4月 来日チーム受入「受入計画実行」(予定)。

6.近年の実施状況
 @ 1997年〜1998年度 (犬飼ガバナー年度)
  相手地区 RI4430地区(ブラジル・サンパウロ)
  受入期間 1998年3月24日〜4月23日で実施
  派遣期間 1998年5月 2日〜6月 1日で実施
 GSE 委員長    松前 憲良 (一宮中央RC)
 受入チームリーダー 豊田 淳治 (スザノRC)
 チームメンバー   ルイス・エドワルド・ペッセ・デ・アルーダ、
           アニッキ・コロンフリー、アンドレイア・モレイラ、カシア内山
 派遣チームリーダー 犬飼 芳樹 (名古屋東南RC)
 チームメンバー   村田 修、内藤 幸子、高橋 利治、横田 悌三

 A 1999年〜2000年度 (野村ガバナー年度)
  相手地区 RI6600地区(アメリカ・オハイオ州北西部)
  受入期間 2000年3月26日〜4月22日で実施
  派遣期間 2000年4月25日〜5月24日で実施
 GSE 委員長    山田 達 (半田RC)
 受入チームリーダー リチャード・M・ロジャース  
 チームメンバー   ジニー・W・ロスフェルド、マーガレット・P・ストゥッドベイカー
           ステファン・B・ヘス、ショーン・P・ケラー
 派遣チームリーダー 石川 百代(豊橋RC)
 チームメンバー   榊原 豪、小島 成樹、磯村 彰秀、中島 佐和子

 B 2000年〜2001年度 (福田ガバナー年度)
  相手地区 RI2320地区(スウェーデン北部)
  受入期間 2000年10月31日〜12月 1日で実施
  派遣期間 2001年 4月20日〜 5月20日で実施
 GSE 委員長    石田 弘幸 (小牧RC)
 受入チームリーダー リナート・クレフボム  
 チームメンバー   シャネット・ステンマン、アンーカトリン・ホエルンフェルト、
           ティナ・ボンデスタム、アンダーシュ・ソルクビスト
 派遣チームリーダー 須賀 碩二(豊田西RC)
 チームメンバー   渡辺 博明、船津丸 昌好、勝本 由貴、加藤 千夏

 C 2001年〜2002年度 (太田ガバナー年度)
  相手地区 RI3750地区(韓国・京畿道)
  派遣期間 2001年10月 6日〜11月 5日で実施
  
受入期間 2001年11月 2日〜12月 2日で実施
 GSE 委員長    深谷 友尋 (名古屋みなとRC))
 派遣チームリーダー 伊藤 信吾(西尾RC)
 チームメンバー   岡田 健太郎、筒井 友佳子、小林 めぐみ、小栗 あゆみ
 受入チームリーダー 姜 昌浩  
 チームメンバー   李 明福、李 洪根、姜 慶淑、金 學龍

 D 2002年〜2003年度 (岡部ガバナー年度)
  相手地区 RI9520地区(南オーストラリア・アデレード)
  派遣期間 2003年3月22日〜4月19日で実施
 GSE 委員長   深谷 友尋 (名古屋みなとRC))
 チームリーダー 浅見 弥進男(一宮北RC   )
 チームメンバー 杉浦 徹、太田 晃二、高木 理加、佐藤 亜紀

 E 2003年〜2004年度 (豊島ガバナー年度)
 GSE 委員長    矢形 修己 (名古屋北RC))
 チームリーダー   マルコム・リンクイスト(ブラウンヒルRC)
 チームメンバー   トム・ギルバート、マイケル・ハミルトン、
           キンバリー・ロシッヤィム、ピータ・チェック

7.現在の課題
 日本と開発途上国の地区との研究グループ交換が活発に行われることが挙げられます。
 それにより幅広い交流が行われると同時に世界社会奉仕への糸口もつかめる機会を持つ
 ことも可能となります。


昨年の感想(派遣)
 「GSEって何?」から派遣は始まります。外国の見知らぬ地域の人たちに波紋を投げかけ、日本でのありのままの気持ちを伝え、接することを心がけます。
出発 半年前から選ばれたロータリアン1名とメンバー4名は、現地でのプレゼンテーション(RID2760はどんな地域、産業、教育、文化なのかなど)の内容の検討、お土産、スケジュール、日本固有の着物 着付け、語学力の強化、などチーム強化のためにプログラムは進んでいきます。その中で特にチームワークは生まれます。これが永遠に続く仲間となっていっています。
 さて、プログラムの開始です。現地空港に降り立った瞬間から始まります。
ホームスティも日本の人達のようにお客様と言う扱いはほとんどなく、家庭の一員として対応 文化交流においてメンバーも早く溶け込んで行きます。
 昼の研修はメンバーそれぞれの職業に合わせて、個別での対応も多く、農産物、果実の加工、最新医療機器、医薬品卸、ホテルサービス、文化、芸術、教育の研究に加え大自然とのふれあいによる環境問題のディスカッションなど短期間であるが、非常に有意義な研修が続きます。
 こちらのプレゼンテーションもリーダーの尺八、メンバーのピアノなど日本の文化に直接触れていただきます。特に岡部パストガバナーとGSE委員でキャンベラの山火事への250万ドルの義捐金は地区大会全員からスタンディングオーベーションによる歓迎、感動を受けました。
 最後にいつもどんな時でも、「1日 エンジョイしたか?」と聞かれます。貴方がHappyであれば私もHappyと喜びます。こんな感動の連続でプログラムは終了していきます。メンバー各自も人生の中で、貴重な体験であり、ロータリーを通じての国際親善と平和に貢献の出来ることを多く学び取ることが出来るでしょう。
 是非、皆様も参加してみませんか?


昨年の感想(受入)
 昨年11月1日、RID9520 GSEメンバーを、ガバナー、財団委員長はじめ委員全員で迎え入れました。目的意識の同じメンバーに国の壁は全く感じられず、笑顔と陽気さだけが残った印象です。
 初日からの人間関係は停まるところ知らない状態で深まっていき、機上の人になるまで、替わらなかったと言っても過言ではないでしょう。
 プログラムは第1週から、ハードでタイトであったにもかかわらず、歓迎会から11回のプレゼンテーションは通訳も困るほどハイテンションのまま行われたと思います。
各クラブ、また地区大会では多くのロータリアンに彼たちの国を理解していただいたと思います。
 また公式行事では神田愛知県知事との表敬訪問、名古屋市、愛知県警などでも自国をアピール、オープン前の中部国際空港、万博会場(愛・地球博)も見学、トヨタ自動車、松下電器など企業理念・環境問題に対する取り組みも多く学んできました。多くのスケジュールの中、彼たちが一番喜んでいたことに、自分の職業と同じ研修だったと思います。リーダーのマルコムは学校、教育、各メンバーは名古屋トヨペット様、日本旅行・名鉄観光様、などにて観光誘致、愛知県警ではOBの方々の年金問題について、意見交換もでき、予想以上の成果にたいへん喜んでいたと思います。地区外研修も古都で歴史や文化を学び、ユニバーサルスタジオなど職業柄たいへん喜んでいました。クリントン米前大統領の講演も想い出に残る大きなひとつとなったでしょう。
 プライベートではロータリアンの自宅でのホームパーティ、暖かいホストファミリーとの生活、ゴルフ、カラオケ、モーターショーなど充実した日程であったと聞いています。最後に送別晩餐会は、今までと違い多くのホストファミリーに出席していただき、夜更けまで、別れを惜しみました。
 この1ヶ月間を通して、ハードでタイトすぎる多くの反省点も残りますが、両地区ともすばらしい体験をさせていただき、感動の連続であったと思います。このGSEプログラムは各クラブ、ご支援をいただいたロータリアン、ファミリーなど国境を越えた信頼関係、世界平和を約束できたといっても過言ではないでしょうか。人生の中で大きな想い出に残るすばらしい感動を残し、ロータリアンである喜びを再認識したと思います。
 今後このプログラムが世界平和のためにも永遠に続くことをお祈りし、挨拶に代えさせていただきます。


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