20-21 ガバナー月信

Vol.14

2021.10.13

表紙

Governor’s Message

ガバナー年度を振り返って

国際ロータリー第2760地区ロータリアンの皆様、2020-21年度ガバナーの岡岡部governor名前です。
前年度はロータリーの運営に大変ご支援・ご協力をいただき誠にありがとうございました。今は、無事責務を終えることが出来てホッとしています。ガバナー・ノミニー・デジグネートから3年半。特にガバナーになってからは環境の激変もあり、多忙を極めました。ある時期、首と腕をパソコンの打ち過ぎで痛めた他は、何とか健康で新型コロナ禍を「完走」出来、多くのことを達成できたことが喜びになりました。ガバナーは健康第一を実感しました。そして、ここまで私を支えてくれたガバナー補佐、分区幹事、地区委員長、委員、地区スタッフ、事務所員、諮問委員会のパストガバナーの皆様、そして共に新型コロナ禍と闘った地区内クラブ会長、幹事ほかクラブの皆様には改めて御礼を申し上げます。


◇「新型コロナ禍での活動軌跡」

さて、今年度を振り返りますと、半年ぐらいで収まるはずと予想された新型コロナ禍が年度を通じてまん延して大変な事態になってしまいました。奉仕事業も出来なくなったことが多くありました。しかし、サンディエゴ国際協議会・ホルガー・クナークRI会長のテーマ「ロータリーは機会の扉を開く」とリーダーシップの重要性、そして創始者ポール・ハリスの「変化の時代に革命的になるべし!」を地区内85クラブへの公式訪問で訴えかけ、Zoom、YouTubeなどを奨励しました。年度央からは2760地区テレビジョンで直接SNSメディアからも情報発信することができるようになりました。
こうしたITテクノロジーを駆使した結果、多くの事業が可能になりました。積極的なクラブでは、「一回しか休まなかった!」、「ほぼ通常通り開催した」という所も複数ありました。「不要不急」と言う人もいましたが、私にとってはまさに「重要至急!」でしたので、とにもかくにも創意工夫と行動で乗り切ろうと必死の一年だったと思います。「出来ない事を嘆かない」「出来ることをしよう」。まさにロータリーへの情熱とリーダーシップが問われた一年でした。昨年2月の地区チーム研修セミナーを無事開催したあとに、新型コロナ禍がその脅威を増しました。最初の試金石であったPETSをDVD視聴で行い、さらに規模の大きな地区研修・協議会を大府ロータリークラブさんのご尽力でYouTube研修・協議会にすることで乗り切りました。その後はノウハウを蓄積し、ガバナーの重要行事である2021年3月愛知県国際展示場での地区大会では知立ロータリークラブさんがDX(デジタル・トランスフォーメーション)を駆使してハイブリッド型で成し遂げニューノーマル時代の大会を実現するまでになり、結果として3,055名という過去最高登録者数を数えました。直前RI会長マーク・D・マローニー氏(当時)、私と伊藤靖祐PDGとの日米オンラインセッションは良き思い出です。
私のこうした思いに地区各委員会も大いに応えていただき、ほぼ一つずつ「思い出になる」プロジェクトを実施してくれました。ローターアクトの企画コンテスト「RAC-1」、当年度もっとも伸びた社会奉仕事業の「子ども食堂」、また、昨年度は中止になったので、今年は何としても実施して欲しいという依頼を、RYLA委員会が創意工夫してハイブリッド型RYLAセミナーを開催。これは若者がニューノーマル時代に対応した素晴らしいセミナーになりました。さらに、せっかくの新しいテクノロジーを使わなければ!とばかりに危機管理委員会や職業奉仕委員会でZoomによる委員長会議が行われ、RI決定で残念ながら派遣中止になった青少年交換委員会でもZoomによる帰国報告会が行われました。同期ガバナー2570地区の相原ガバナー、2770地区の中里ガバナー(当時)も参加してくれました。
さらに、財団ポリオ/VTT委員会では10月24日のポリオデーに、「イベントができないならグッズでファンドレイジングをしよう!」と財団のポリオ・マスクなどのアイデアが続々出ました。「やれば出来る!」です。会員増強でも2760地区の初の「衛星クラブ」が成立しましたが、これは会員増強委員会のフォローにも拘わらず長続きせず次年度以降の課題になりました。会員増強については最後に失速してしまい大変残念です。
しかし、若い年代の会員増強では篭橋年度からロータリアンにカウントされるローターアクトが年度内新規に2つでき、103人だったローターアクトクラブの会員数が一気に170人を越えました。その一つが「名古屋インターナショナルローターアクトクラブ」(名古屋北ロータリークラブ提唱)です。9割近くのアクターが日本在住の外国人で、「RAC-1」に触発(インスパイア)されて出来たものです。これは望外の喜びでした。また、インターアクトも1クラブ増えました。インターアクター650名以上の日本最大規模の地区です。将来の頼もしいロータリアン候補達です。
クラブ奉仕事業では、地区内ロータリークラブからDDFをフル活用して66件もの申請がありました。新型コロナ禍で実現が心配されましたが、そのうち58の地区補助金プロジェクトが実施されました。過去最高水準です。一番難しいと思われた国際奉仕はグローバル補助金を活用して国内他地区のガバナー達と共同で100万枚以上のフェースシールドを前年継続事業含めて7か国に寄贈できることになり、さらに、年度末ギリギリでホルガー・クナークRI会長とラビンドラン財団管理委員長(当時)の呼びかけに応じたインド支援プロジェクトでは、600万円もの寄付が集まり第3291地区に4万8,000枚の追加支援が出来ました。インド支援地区からはガバナーのビデオ感謝メッセージもいただき、地区役員・会長懇談会で披露しました。また、日本2760地区、タイ3360地区でZoom会議を行い、台湾の新竹地区含めて3か国地区合同でタイ僻地にICU施設寄贈。次年度継続のラオスプロジェクトなど大金星の委員会になり地区役員・会長懇談会において表彰もいたしました。
さらに、年度最終月の6月14日には地区主催のロータリー希望の風奨学金支援チャリテイーゴルフ大会に130人ほどが参加し、同奨学金に715,323円と多額の寄付ができました。最後まで奉仕に邁進できたのも地区の皆様のご協力のおかげです。
年度を通じて大きな困難の年ではありましたが、国際協議会ホルガー・クナークRI会長の「ロータリーは機会の扉を開く」の期待に多少なりとも応えることが出来たのではと、今は思います。そして、皆様と一緒にガバナー年度を過ごせて大変幸せでした。沓名年度にも変わらぬご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。


◇「雑感」

ところで、ご存知のように、私の地区方針は「行動するロータリアン!世界で何かよいことをしよう、TOGETHER!」―ロータリークラブの奉仕が、世界の平和につながってゆきます―でした。今、RIの方向性は奉仕事業を実践する「世界を変える行動人」へと大きく傾斜しています。ロータリーはもちろん親睦がその根幹ですが「世界で何かよいことしよう」という「利他の精神」にその特長があります。これは何も今に始まったことではなく、創立間もない1907年、創始者ポール・ハリス会長時のシカゴロータリークラブによる簡易トイレの寄贈、1917年財団創設時のアーチ・クランフによる「世界で何かよいことをしよう」の時代からすでに100年以上を経ています。日本では1923年9月1日の関東大震災時直後の9月4日に、当時のガイ・ガンディカーRI会長から「RIおよび全ロータリークラブは深い同情の意を表します。如何なる事であろうと、遠慮なく申しつけてください」の電報とともに巨額の寄付が寄せられ、それが日本のロータリー活発化のきっかけになったと言われています。
ところが残念なことに、多くのクラブでは新入会時に「何かしなければいけない?」という負担を感じさせないようにするためでしょうか、そうした事実がうまく会員に伝わっていない気がします。ある者は活動を、そしてある者は資金提供を。会員一人一人がそれぞれの力に応じて貢献する相乗効果が期待されています。神野重行PDG年度行動指針の2番目にも「ロータリーは会費を払い、バッヂをつけて、例会に出て親睦をはかっていればいい時代は社会奉仕活動が始まった時に終わりました。ロータリーは社会に、世界に、そして青少年育成に、会員一人一人が持てる力に応じた貢献をする団体です。地区やクラブの奉仕活動に積極的に参画して、会員同士の輪を広げ、生きがいや喜びを共有しましょう。」と記載されています。根底はもちろん職業奉仕と親睦ですが、奉仕に行動して喜びをわかちあおう、ということが奨励されています。ロータリーは多様性が重要ですので、それ以外に多くの形のロータリー活動があるのももちろんです。こうした面では、今年2月にお亡くなりになった江崎柳節PDGにもっとお話を伺いたかったのですが故人となってしまわれ誠に残念です。ご冥福をお祈りいたします。


◇「ロータリアンの皆様に感謝」

最後に、5月号と重なりますが2007年国際協議会で当時のW・ウイルキンソンRI会長エレクトが江崎柳節地区ガバナーエレクト達に贈ったフランスの詩人 ステファン・グレレ(1773-1855)の詩を掲げさせていただきたいと思います。
「この人生はたった一度限りの旅だと思うから、私にできるよいこと、私が友にしてあげられる親切なら、どんなことでも、今させてください。再び引き返してくることがないのなら、先延ばしたり、なおざりにしたくはないのです」
1年間誠にありがとうございました。2760地区ロータリアンの皆様の益々のご活躍とご健勝を祈念して筆をおくことといたします。

国際ロータリー第2760 地区
2020-21 年度ガバナー
名古屋北ロータリークラブ所属  岡部governor名前